前回の記事に引き続き、動画インタビューの現場でたびたび直面する難題切り抜けシリーズ第2弾。今回は、インタビュー相手のコメントがまるでセリフの棒読みのようになってしまうというケース。これこそが「喋ること丸暗記してきてセリフ棒読み問題」です。
前回の記事でも書いた通り、これが写真とテキストの記事であればライティングでいくらでもごまかせますが、動画の場合はそうはいきません。ちゃんと喋っていただけなければ撮れ高ゼロ。動画コンテンツとして成立させることができず、ディレクターとして評価ガタ落ちの大ピンチ。さあ、あなたならどうしますか?
なぜ、この問題が起こってしまうのか
インタビューをする際には、事前に質問項目を送っておくことがほとんど。当然、相手の方は当日までに何を話そうか考えてくれます。中には自分で台本的なものをつくり、その一字一句を暗記し、何度も何度も練習してこられる方もいます。
もちろん、それが功を奏してうまくいくこともありますが、残念なことに努力が裏目に出てしまう場合も少なくありません。丸暗記したコメントを思いだしながら喋ってしまうので、まるで古いSF映画のロボットのように、感情も抑揚もない、セリフ棒読みコメントになってしまうのです。
これでは当然、視聴者には響きません。動画のインタビューで欲しいのは、あらかじめ用意しておいた言葉ではなく、喋っているその瞬間に、感情とともに絞り出した一言。声のトーンや目のキラキラが違います。ディレクター兼インタビュアーとしては、そんなコメントを引き出したいところです。
私が実践している単純な方法
私が実践しているのは、本当に単純な方法。事前に送っていた項目をそのまま質問してしまうと、セリフ棒読みという厳しい現実を突き付けられること必至。だったら質問を変えてしまえ。というワケで、相手が想定していなかった質問から入り、少しずつ、予定していた質問に近づけていきます。
例えば、事前に想定していた「お仕事のやりがいを教えてください」という質問。そのまま訊いてしまと、相手はSFロボット棒読み。そうならないために質問項目を変換し、「お仕事いつもお忙しいようですね?」「そんなにお忙しいのにイキイキとお仕事されていて素晴らしいですね」「お仕事を楽しまれているんですね?」と徐々に進化させていきます。これでやりがいのコメントを引き出すことができます。
また、「商品の特徴を教えてください」の場合は、「どんな方をターゲットとした商品なんですか?」「他社の商品との違いはどこですか?」「その違いはお客様にどんなメリットがありますか?」といった具合に。
お相手は、質問項目と話す内容をセットで丸暗記してきているので、質問の仕方を少し工夫することで、セリフの棒読みを回避。感情のともなう、とてもステキなコメントを引き出すことができるはずです。
最後に
前回と今回の記事では、動画インタビューで起こる問題について取りあげましたが、撮影現場では、これ以外にも本当に信じられないような様々なピンチが発生します。
例えば、雷雨でゴロゴロ音声が入ってしまう問題、カラスが鳴き止まない問題、病院が近くて救急車がうるさい問題、そして何よりも恐ろしいカメラマンが渋滞に巻き込まれ現場に到着しない問題などなど。まさかそんなことってあるの???という絶体絶命のピンチが、次々とディレクターのあなたに襲いかかります。しばらく待つか、日を改めるか、それとも無理やり続行するか。それを判断するのもまたディレクターの役割。皆様の好判断、そして幸運を祈っています。
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