動画インタビューで取材相手がド緊張。リラックスして喋っていただく方法とは?

動画インタビューの現場では、様々な難題に直面します。そのひとつが「取材相手がド緊張で何も喋ってくれない問題」。例えば、企業のサービス紹介や採用向けの仕事紹介などの案件では、カメラの前で話すことが初めてという一般社員の方が取材相手になることが多く、当日そのお相手がガチガチに緊張して現場に登場するケースも少なくありません。
ほどよい緊張であれば問題ありませんが、ド緊張は要注意です。表情が硬く、何を聞いても話が続かない。そんな非常事態に陥ってしまうこともあります。
もし私に超人的なコミュニケーション能力があれば、この事態を軽く乗り超えられるでしょう。しかし残念ながら、私には有名司会者レベルのコミュ力はありません。
そんな私が、インタビューのお相手がド緊張で現場に現れたケースで実践していることをご紹介したいと思います。

肝心なのはインタビューを始める前

インタビューを開始する前、例えば最初のご挨拶で雑談や世間話をするタイミングが、緊張をほぐす最大のチャンスです。私が実践しているのは、インタビュー用にセッティングされた椅子に座る前、つまり目の前にカメラがない状態で、お茶でも飲みながら、できれば立ち話で、「おなかすいてないですか?」など本当にどうでもいい雑談からはじめ、その流れで1つか2つの質問をしてしまいます。

そのうえで、「お話が面白くてついつい雑談が長くなっちゃいました!この感じで本番もいっちゃいましょう」「お話も今の感じで全然OKです!インタビューではなく、今みたいに私とただ会話する感じで大丈夫ですよ!」と声をかけてあげます。

さらに「言い間違えても、詰まっても、すごーーーーーーーーく長い間があっても、編集で何とでもできますから!何も問題ありません!」と、緊張する相手に勇気を与える一声。

ちなみに私は、想定していた60分のうちの20分を雑談タイムに使ったこともあります。だいたい50%の方は、これでリラックスしていただき、何の問題もなくインタビューを進めることができます。

相手を徹底的に持ち上げまくる

では、残りの50%の方はどうするか。ここからが超難題。喋っていただかなければ撮れ高ゼロ。その恐怖に怯えながら、私が実践している声かけがこちらです。

まず、ひとつ目の質問の答えが返ってきた後に、

「本当に緊張してるんですか?全然、緊張してるように感じませんけど!」

「うーん、やっぱりさすがですね!」

と大げさに絶賛します。

これでもお相手のテンションが上がりきらないときは、さらに追加で、

「めちゃくちゃお話うまくてビックリしました!」

「皆さん、なかなかこんなに話してくれませんよ!」

と徹底的に持ち上げる。

もうほとんどの方は、この声かけで気持ちよくなり、表情から硬さがとれ、トークも滑らかになります。

それでもまだ表情から自信のなさが消えない方には、

「どんな話が聞けるか楽しみにしてたのですが、やっぱりお話が面白いですね!」

「聞いてる私もなんかワクワクしてきました!もっといろいろ聞かせてください!」

と、「あなたと話すことができて私も楽しいです感」を前面に出しながら、さらに持ち上げまくる。

ここまでやって、それでも喋っていただけない方は、私の経験ではほんの数名でした。

最初の1周をテストと割り切り2周目に突入

では、そのほんの数名の方をどうするか。それが最大の難題ですが、諦めてはいけません。諦めたら撮れ高ゼロの悪夢が待つだけ。このピンチを私が乗り越えた方法がこれです。

1周目はテストと割り切り、予定していた質問をすべて終わらせてしまう。そのうえで、話が膨らみそうな話題に的を絞り、

「さっきのあの話、とても良い話ですね!めちゃくちゃ感動しましたよ!」

からの、

「いろんな方にインタビューしましたけど、その話は初めて聞きました!」

からの、

「その話、もっと詳しく教えてくれませんか?」

「私自身も興味ありますし、視聴者にものすごく響くと思いますので!」

と、こちらも目をキラキラさせて2周目を開始。これでインタビューは、少なくとも必要最小限の撮れ高を確保。なんとか悪夢を回避できました。

まとめ

一般の方をインタビューする際にしばしば起こる「取材相手がド緊張で何も喋ってくれない問題」。写真と原稿のインタビューであれば、ライティングでいくらでも話を膨らますことができますが、動画はそうはいきません。喋っていただけなければ撮れ高ゼロです。ということで今回は、私が実践している声かけのパターンを紹介させていただきました。

実際には、他のディレクターが全く違うアプローチで、この問題を解決している現場を見たこともあります。あくまでも一つの例として参考にしていただけると幸いです。

また、動画インタビューの現場では、このほかにも「喋ること丸暗記してきてセリフ棒読み問題」という難題がしばしば発生します。これについては、また別の記事でご紹介させていただきたいと思います。

株式会社スタジオーネ63にご相談ください

スタジオーネ63では、グラフィックデザイン、WEB制作、映像制作、デジタルマーケティング、システム開発、校閲、バリアブル印刷、印刷事業を一貫して提供し、お客様の様々な課題を解決するクリエイティブソリューションを提案を行っています。

お客様のビジネスの成長をお手伝いするために、私たちの専門チームがサポートいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

ご相談については、以下のフォームよりお問い合わせください。

お問合せフォームへ
LINEでシェアする Xでシェアする Facebookでシェアする
記事一覧へ戻る