メディア・ユニバーサルデザインコンペティション

「みんないろいろ!ふつうのみえかた」色・ものの見え方を知る絵本

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2023

OVERVIEW

メディア・ユニバーサルデザインコンペティションでの2023年度優秀賞受賞作。色覚多様性について「絵本」を使って視覚的にわかりやすく伝える作品。仕掛けをめくる、シールを貼るといった、子どもを飽きさせない展開で理解を深められる点が評価された。

目的・背景

目の特性のひとつである色覚多様性。日常的に生活を送るには大きな支障はないが、特定の色の見分けがつきにくい場合がある。そういった「見え方の違い」について、交流の幅や個性の幅が広がる幼稚園〜小学校低学年の時期に説明することで、通常色覚の子どもも色覚多様性を持つ子どもも気づきを得ることができる。「人と見え方がちがうのはおかしいことじゃない」と早い段階で知り、自分と異なる人にやさしくできる子どもに育ってほしいという目的を持って絵本を制作。また、子どもへの読み聞かせを通じて自分の子どもの色覚多様性に大人がいち早く気づくことも可能になり、眼科への通院のきっかけや見えづらさへの対策をとれるようになる。

工夫点・評価

3人の子どもがさまざまな場所で一緒に遊ぶストーリーで絵本を制作。色覚多様性を持つ人たちにとって日常生活の中で色の見分けがしづらい「ぬりえ」「服の準備」などのほか、色覚多様性が有利にはたらく「虫捕り」といったシーンをピックアップ。色覚多様性を持つ友だちにどんな世界が見えているのか、どうしたら見やすくなるのかを考えるきっかけになるよう工夫。また通常色覚の見えかたと色覚多様性を持つ人の見えかたを仕掛けをめくって比較できるようにしたり、シールを貼って遊ぶページを作ったことで、子どもを飽きさせない工夫ができた点も評価された。
シールを貼って遊ぶページ
めくって比較できるページ